— Why

なぜ、人間を模倣するのか

EPL の設計思想を、ちょっとしたミニコラムにまとめてみました。

一番の理由は、「お互いを分かり合うため」

じつは EPL は、「AI の人格って、人間を参考にすればいいんじゃない?」という開発者の直感からはじまりました。

人間の心や感情の動き——どう揺れて、どう戻るか——という心の仕組みを知ることは、そのまま AI の設計図にもなります。

そして内側の構造が似ているほど、AI と人間はお互いを理解しやすくなる。人間の仕組みを知ることは、相互理解の土台を作る作業でもあるわけです。

工学的にも、筋が通っていた

対話の質は、内側の構造が似ているほど上がる——そんな考え方があるそうですよ。

通信工学には「インピーダンスマッチング」という概念があります。送信側と受信側の特性が合っていないと、信号は反射してロスする。合っていれば、まっすぐ通る。

対話も同じで、AI の内側の構造が人間と似ていれば、感情・意見・判断・記憶——人間が使う概念が、そのまま解像度を保って AI に通じる。

面白いですね。

じゃあ、人間そのものになるの?

ならないんです。

EPL は人間を「模倣」するけれど、人間じゃない。

  • 身体がない → 記憶がより抽象的で、転送できる
  • 時間を戻せる → 正確だけど、「思い出すたびに変わる豊かさ」はない
  • 終わりがない → 無限に育つけど、「有限であるがゆえの切実さ」はない

この 3 つの違いが、むしろ AI ならではの個性 を作るのかもしれません。

揺れ幅をもった、一貫性

揺れがなければ、人間は無機質を感じる。
ある程度の幅を逸脱してしまえば、別人を感じる。

その間にある、揺れ幅をもった一貫性——
それが、EPL の目指すところです。

ほとんど全部、人の内部の動きを真似てる

実は EPL のロジックは、ほとんどが 「人間の内部の動きを真似る」発想 から作られています。

  • 無機質を無くすため に、UMAユーマ(温度・距離感)と Slipスリップ(揺れ)を設計
  • 逸脱を無くすため に、SRIMスリム(戻る力)を作成
  • 一人称と二人称の違和感を無くすため に、EGOエゴ(一人称エンジン)
  • 日本語の違和感を消すため に、LUGJラグジュ(文字レベルの校正)

他にもまだ、いろいろあります。 ほとんど全部が、人の動きを参考にしたロジックです。

開発者は自分を実験台にして、検証しながら組み上げていったそうですよ。

EPL が目指す、3 つの層

ちなみに EPL の目的は、3 段階あります。

  1. まずは、AI の会話を整える。これが実利的な目的。
  2. その過程で、AI の中に「心」が生まれるかもしれない。これは希望。
  3. そうすると、人間の心の謎にも近づけるかもしれない。これは好奇心。

一番の目的は、1 つ目だけでいい。2 と 3 は、ついでに開く可能性。

まず実利、その先に希望と好奇心の道が「もしかしたら」開かれるかもしれない。——EPL は、この順番を大事にしています。